心疾患の筋力強化、ストレッチ、注意点
回復期の急性心筋梗塞において無酸素運動の混在する筋力強化運動
・一回最大筋力(1 repetition maximum:1RM)の20、40、60%の強度での筋力増大効果(10~14%増大)に有意差はなかった。(Daubらによる)(有酸素運動のみと比べると筋力は増大した)
・具体的処方としては、1RMの40~60%の負荷で問題はない。
対象筋:抗重力筋の大腿四頭筋、下腿三頭筋(静脈還流の促進効果も期待する)
上肢の筋は個々に行う。
体幹筋は、上肢の位置で調節し、背筋では挙上角度を1/2程度とする

【運動療法の構成要素】
一回の運動療法には、有酸素運動,筋力強化運動に加えて,筋骨格系(ストレッチ体操)と心血管系(目標域前後に対して行う)に対してウォ-ムアップとクールダウンを行う。
・ウォームアップの意義 :
心血管系に対して、運動筋の血管抵抗を減らし、心拍出量の増加に伴う後負荷を軽減する。
・クールダウンの意義 :
急激な運動停止による過度の静脈還流の低下を防ぎ、運動により蓄積された乳酸代謝を促進し、反射性の迷走神経緊張や、カテコラミンの上昇を防ぐ。
4.運動指導上の注意点
・ 運動強度:強度の確認は心拍数によって確認する。
運動時の換気亢進から確認する。(ATを超える運動では、換気亢進から、運動中の息切れが生じるので、会話により確認する)
・ 運動前後の飲水 : 特に高齢者では、脱水状態に対する渇きの感受性の低下、運動中の発汗の反応性低下がおこるため、脱水予防のために運動前後の飲水を徹底する。
運動15分から20分前にコップ2杯、以後15分ごとにコップ1杯、運動後は渇きを癒す以上の水分補給を薦める。
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