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筋収縮時の化学変化(ローマン反応やATPの二重作用など)


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4.筋収縮時の化学変化
筋肉の収縮に必要なエネルギーはATPの分解によって供給される。


A.ローマン反応
ミオシンにはATP分解酵素(ATPase)作用がある。

ATPがADP(アデノシン二リン酸)に分解されてエネルギーを放出する(下図のb)。

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筋に蓄えられてるATPはわずかであり、ATP分解によって生じたADPは、クレアチンリン酸(CP)からリン酸(P)をえて、再びATPに戻る。

すなわち、

[ATPase]  ATP ⇔ ADP + 無機P + エネルギー  ・・・(1)
[CPase]   ADP + CP ⇔ ATP + C          ・・・(2)

(2)をローマン反応という。無酸素的ATP合成反応である。
この反応は酸素供給がなくても行われる 。それが下図の(1)にあたる。

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結局、筋収縮中はATPの量は変わらずCPが減少してCが増すことになる。

ただ、CPの分解によって生じるATPの量はせいぜい50回の収縮を可能にするに過ぎない。

 

筋運動が激しいときはローマン反応だけではATPを十分供給できない。このときは蓄えられているグルコース(またはグリコーゲン)の分解、すなわち解糖によってATPを合成する。解糖の経過はO2の供給が十分なときとそうでないときでは異なる。

 

B.有酸素的条件
供給が十分ならば解糖の結果生じたピルビン酸はTCA回路に入り、酸化反応によって1分子のグルコース分解により36+2=38分子のATPを生じる。結局グルコースは完全にCO2とH2Oとに分解される。上の図の(2)。

 

C.無酸素的条件
O2供給のないときはTCA回路が回転できず、ピルビン酸は乳酸になる。このときは解糖の途中で2分子のATPを生じるだけである。上の図の(3)にあたる。

したがってO2のあるときは、O2のないときに比べて19倍も多量のATPを合成できる。
 

D.ATPの二重作用
ATPは筋収縮の直接のエネルギー源であって、1molのATPが分解されると、生体内では約11,500calのエネルギーが遊離される。

しかし、ATPはそれ自身筋を弛緩させる作用をもつ、ATPとMgイオンがあり、Caイオン濃度が10-6mol以下のときは筋は弛緩し、Caイオン濃度が増すと筋は収縮する。

 

もし、筋細胞内のATP濃度が低下するとATPの弛緩作用が除かれて、筋は非可逆的な収縮状態になる。死硬直はミトコンドリアにおけるATP産生が停止しATPの消失によっておこる。

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