生体内の温度分布の反応と体温調節反射のメカニズム
生体の核心温度
環境温変動によって温度の変化しない部分は核心部といわれ頭腔、胸腹腔などの身体深部が含まれその温度は核心温度と呼ばれ体温調節により一定に調節される。
より体表に近く、温度変化する部分を外殻部と呼ばれ、その温度は外殻温度とよばれ外殻温度は一定に調節されておらず、むしろ核心部の温度を一定に維持するためにむしろ犠牲にさ
れる場合もある。
例えば極寒環境では四肢の冷却が核心温度に影響しないよう四肢に強い血管収縮がおこりこの結果しばしば凍傷となるというのが良い例。
環境温度を20度と35度に設定した場合の身体内部の温度
体温調節反射の働き
体温が一定に保たれるためには、熱の産生と放散が反射的に調節されていなければならない。
ⅰ)外界の温度が低い場合は熱産生を盛んにし、熱放散を抑制する。
ⅱ)外界の温度が高い場合は熱生産を抑制し、熱放散を盛んにする。
ⅲ)筋運動によって熱生産が増加した場合は熱放散を盛んにする。
a.熱産生促進の機序
・ふるえは骨格筋に起こる不随意収縮である。その他、筋運動により筋の熱生産が増加する。
・寒冷時には下垂体前葉の甲状腺刺激ホルモン(TSH)や副腎髄質のカテコラミン分泌が増加し、代謝亢進が起こる。またそれによる血糖利用率上昇によって食欲亢進が起こる。
b.熱産生抑制の機序
・高温のときは、食欲減退、甲状腺刺激ホルモン(TSH)分泌減少があり生体はあまり動き回らずじっとしている。
c.熱放散促進の機序
・高温のときは皮膚血管拡張および発汗がみられる。
・皮膚血管が拡張すると皮膚温が上がり、皮膚からの熱放散が増す。発汗は蒸発熱の放散を促進する。
d.熱放散抑制の機序
・寒冷のときは皮膚血管収縮および立毛(鳥肌)がみられる。
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