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大脳基底核の障害で起こる運動・認知の問題と疾患の機能解剖学


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大脳基底核が障害されると様々な症状がでます。

大脳基底核変性症その他の類似疾患の症状を、大脳基底核の障害部位と機能・役割を絡めて簡単に説明していきます。

大脳基底核障害と疾病

大脳基底核およびその周辺に障害があると、いわゆる錐体外路症候群など、種々の症状を呈してくる。

無踏病
全身、ことに四肢や顔面などの比較的大小不同の、不規則な不随意運動(無目的な手足をくねらせる運動)がみられるもの。主として線条体、ことに尾状核の障害と考えられている。
       

アテトーゼ
四肢の遠位ある筋と、これに対する筋も同時に緩慢な収縮をきたすため、曲がりくねった不規則な、持続的な運動を行うもの。線条体・淡蒼球あるいは視床に及ぶ障害と考えられている。


バリスム
四肢を強く、乱暴に投げ出すような急速な律動的な運動を行うもの。これが一側のみに現れた場合、ヘミバリスムスという。両側あるいは反対側の視床下核の障害によると考えられている。

パーキンソン病(参考:パーキンソン病
固縮・振戦・無動を主徴とし、姿勢反射障害や仮面様顔貌を呈するもの。

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その結果、随意運動も障害される。黒質内のメラニン細胞の脱落および線条体、淡蒼球、黒質などのドーパミン含有量の低下がみられ、黒質から淡蒼球へのドーパミン作動性神経の伝達障害が示唆されている。

 

大脳基底核は、
(1)運動にかかわる機能、(2)認知にかかわる機能の2つに大別することができる。

(1)大脳基底核の運動にかかわる機能

運動の量およびスピードのコントロール

大脳基底核の障害により、運動が減少し、そのスピードが減少する形でみられることが多い。


これがパーキンソン病でみられる無動・寡動である。
これは黒質・線条体ドパミンニューロンの減少、すなわち黒質メラニン含有細胞数の減少および神経終末が密集する線条体でのドパミン含量の減少との相関があることから、ドパミン機能低下によるものと考えられている。

 

線条体でのドパミン欠乏は、最終的には大脳基底核からの主要な出力である淡蒼球-視床GABA作動性抑制系の機能低下を招くために無動が生じると考えられる。


筋トーヌスのコントロール

筋トーヌスは、脊髄前角の動的・静的γ運動ニューロンのバランスのとれた活動が筋紡錘に一定の緊張を与え、その筋紡錘からの入力がα運動ニューロンの活動を調節することにより正常に保たれる。この筋トーヌスは大脳基底核の障害により、筋固縮(パーキンソン病)と緊張低下(ハンチントン病)が出現する。


筋固縮
黒質メラニン含有細胞の変性により線条体のドパミンが減少したために、これが調節していた大脳基底核の出力系に機能亢進が生じ、そのために脊髄前角の動的γ運動ニューロンの活動低下、静的γ運動ニューロンの活動亢進とともに、α運動ニューロンの活動増強が生じるためと考えられている。

なお、線条体の中では、尾状核よりも被殻の細胞脱落の方が筋固縮の発現に重要であることが示唆されている。


筋緊張低下
線条体-淡蒼球抑制系の機能低下と、それに続く淡蒼球-視床抑制系の賦活(脱抑制)が生じ、その結果、筋トーヌス発現にかかわる視床ニューロン群に抑制がかかるためと考えることは可能であるが、その証拠は乏しい。


不随意運動

振戦
大脳基底核に関連して生じる振戦は、主としてパーキンソン病の安静時振戦(随意運動により軽減・消失する4~6Hzのリズムをもつ振戦)である。責任病巣は、おそらく黒質のあり、ドパミン作動性ニューロンの脱落にあると考えられている。


無踏運動
淡蒼球のGABA作動性ニューロンおよび黒質のドパミン作動性ニューロンが線条体の抑制から解放され、機能亢進することで出現すると考えられている。


バリスム
原因は、対側の視床下核(ルイ小体)の血管障害によることが多い。稀に、線条体や視床の病変によることもある。淡蒼球と黒質ニューロンが視床下核による抑制から解放されたものと考えられる。

 


(2)認知にかかわる機能

認知機能

黒質-線条体ドパミン系のみが障害された場合も、大脳皮質、とくに前頭葉が障害された場合と同じような、周囲への関心や注意が障害されることが知られている。


動機づけ

線条体の腹内側部と側坐核を含む領域は、大脳辺縁系に扁桃体や海馬などからの強い入力を受けていることが明らかにされている。

大脳辺縁系が摂食・飲水、攻撃・逃走などのいわゆる行動の動機づけの機能を担うと考えられていることから、この経路を介して、大脳基底核が関与しているのではないかと考えられている。

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2016-09-05 18:32 from -

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