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日常生活活動(ADL)の定義・概念とその意義について


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FIM(機能的自立度評価表)のADL評価の方法について詳しく書きました。

今度はにBarthel index(バーサルインデックス、またはバーセルインデックス)について記述しようと思いましたが、基本となる日常生活活動(Activities of Daily Living:ADL)について、あまり触れていなかったので、そこに触れてみたいともいます。(今更間が否めない...)

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日常生活活動(動作)の定義・概念

日常生活活動(動作)(activities of daily living;ADL)とは

「一人の人間が独立して生活するために行う基本的なしかも各人ともに共通に毎日繰り返される一連の身体的動作群をいう。この動作群は、食事・排泄等の各動作(目的動作)に分類され、各動作は、さらにその目的を実施するための細目動作に分類される。リハビリテーションの家庭やゴール決定にあたって、これらの動作は健常者と量的・質的に比較され、記録される。」

と、日本リハビリテーション医学会では、こう定義されている。

ADLは身辺動作(self care)を意味し、家事動作、交通機関の利用などの応用動作は生活関連動作として区別する必要がある。

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ADLの日本語表記は日常生活動作ではなく、日常生活活動(動作)としているが、これは近年のactivityに対する見解の変化をふまえたものである。

土屋らによると、動作とは仕事(work)課題(task)として行動をとらえる場合の単位としているのに対して、社会文化的意味や意図との関連でとらえる場合は行為(活動)が適当と述べている。

しかし、現実的には英語と日本語の違いで完全に表現しきれないものがあり、ADL全体を指す場合には「日常生活活動」と表現し、入浴、排泄といった単一項目を指す場合には「日常生活動作」とするのが最近の見解である。

 

ADLテストの臨床的意義

自立した生活能力は社会生活を営む上で不可欠な条件である。

そのためADLの遂行能力は、我々の健康で幸せな生活を構成する中心的概念となっている。そうした意味で個人の健康観や幸福感は、存在する社会集団の中でいかに効果的にその役割を果たしうるかという能力によって規定される。

つまりは、人間として何がどの程度できるかが大切、ということ。

従ってリハビリテーション医学では、身体的または心理的障害にかかわらず、特にその人が持っている可能性を全て発揮できるよう最大の努力が払われる。

その1つとして、健常者が日常生活の中で行っている一般的動作が障害者ではどう行われているかを評価し、それを改善するための方策がとられる。そのためADLの評価や訓練は、リハビリテーション評価や治療プログラム立案にあたって真っ先に考慮されるべき重要事項である。

ADLを訓練するには、それをどのように行うかの各動作の分析がまず重要となる。1つ1つの運動を分解して訓練することは、必然性があるのだが、それだけでは不十分で、これらを組み合わせた機能統合訓練、すなわちADL訓練として訓練することが大切である。

ADL訓練はそういう意味では治療そのものというよりも治療成果の生活応用であり、患者の日常生活における運動機能の証明ともいえる。

ADLは多くの身体機能の統合されたものと考えることができる。

すなわち、ADLの遂行能力に影響を及ぼす因子には多くのものが考えられる。身体機能的因子に加え精神的因子、社会的因子などがある。つまり、患者の記銘力、判断力などの精神的能力、社会的役割などの社会的因子がADLの自立に大きく関わる

機能・形態障害はこれらADLの遂行を阻害する多くの因子の1つに過ぎないが、重要な因子の1つであることには間違いない。

そのため、筋力、関節可動域、バランス、協調性、感覚、持久力などの障害がADLの障害とどのようにかかわっているかを評価することは理学療法の治療計画を立案する上で特に重要である。したがって、ADL自立を高めるための治療計画もおのずから異なるはずである。

理学療法士は、障害者のADLを最大限に引き出し、かつ高めうる合理的治療計画を立案するにあたり次の点を考慮すべきである。

  1. 患者のADLの遂行を阻害しているものは何かを明らかにする。
  2. これらの因子の中で理学療法によって対処できるものはどれかを明確にする。
  3. 理学療法によってこれらの因子が改善されることで患者の機能にどのような変化が期待されるか、またそれはどれくらいの期間を要するかを考える。
  4. 理学療法によって対処できない因子はどれか。その場合、これに変わる代償策はあるか。
  5. またそれによって何らかの機能的改善を期待できるか
  6. 患者は理学療法プログラムに答えられるだけの十分な精神機能を有しているか、などを考慮することも重要である。

以上、すごく広い範囲をちょっとだけ深く掘り下げるとこのようになります。

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