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高次脳機能障害の全般的な評価(検査/テスト)の流れ


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★是非、ご覧下さい★ +++高次脳機能障害の一覧(もくじ)+++

高次脳機能障害の全般的な評価(検査/テスト)の流れ

1)評価の流れ

急性期からの関わり、あるいはマンパワーの点などから、理学療法士が高次脳機能の「第一発見者」となる確率は極めて高いといえる

①カルテからは基本的属性に加え、病前の生活上の自立度、社会的交流の有無などをチェックする
②画像の分析からは、損傷半球に加えて非病変側への影響についても留意する必要がある
③何気ない時候の挨拶で、意識のレベル、見当識、失語症の有無などを知る
④声を掛けて病態失認をチェックする(「今回は大変ですね.どちらの具合がよくないんですか?」
⑤顔の向き(半側無視)、健側の不審な動き(失行)についても注意をする

2)ベッドサイドの高次脳評価

①左半球損傷の場合
・主要な高次脳機能障害は失語症、失行症である.したがって、言語検査から始める
・まず前述の「挨拶」に始まって、病室のオーバーテーブルの上にある日常物品、例えばティッシュペーパー、湯のみ茶碗、眼鏡などの名前を言ってもらう(呼称).あるいは検者が物品を言い、指示してもらう.
⇒ この時すでに「聞いて理解する」ことが可能かどうかもわかる
・次に検者の名札を示して読んでもらい、住所などをカルテの用紙に書いてもらう.さらにテーブルに物品を並べて口頭指示に従って動かしてもらう


「話す・聞く・読む・書く」のモダリティーを網羅し、失行についてもおよその見当がつけられる
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②右半球損傷の場合
・半側無視、同側性把握、運動維持困難などが検査の焦点となる
・顔と眼球の向きが右を向いているか、「こちらを向いて下さい」と左から声掛けした時に、かえって右を向くようでは半側無視は重症である.このような場合、閉眼すると頭部が正中になることがある(頭部閉眼正中化現象)
・常に右側のものを掴もうとするか、検者との視線を合わせることが保持できるか、などが観察のポイント

3)検査室での評価

・標準化されたテストとして、知能検査(WAIS-R)、言語検査(SLTA)、失行症検査(標準高次動作性検査)、半側無視検査(BIT)などが挙げられる
・検査を施行するにあたり基本的に重要なことは、患者の疲労を考慮し、またテストによって心理的に追い込まれないようにすることである(破局反応)
・検査中の検者の行動が、結果に影響していることを念頭に置くことも留意点である.例えば半側無視検査として「線分2等分検査」を行っている時に、患者に対面している検者の右手が用紙の上に置かれた時と、そうでない時では手がかりに違いが生じており、成績に影響する(Clever-Hans現象)

4)治療場面での評価

・姿勢の正中位の保持と移動動作が注目され、特に前頭葉を含む広範な病変では、行為の抑制障害に伴って体幹の傾きを示す(Pusher現象)
・ポイントは自己の歪みについての認知の問題で、「体を真っ直ぐにして下さい」と言うと、かえって傾きを強め、このような場合“鏡”を用いても修正出来ずに混乱することがある
・移動動作では車椅子への移乗の際に、一旦掴んだアームレストを放すことが出来ずに姿勢を転換出来ないことが観察され、失行症例では杖と下肢の振り出しの順序が混乱し、なかなか学習できない.しかし、言語的な指示ではなく視覚的なデモンストレーションで改善をみることが多い

5)意図性と自動性の乖離

・脳損傷例の理学療法評価を進めているうちに、違和感を感ずることがあったら高次脳機能障害を想起すべきであり、運動麻痺や感覚障害では説明がつかない時に、高次脳機能障害の視点からもう一度検討するとよい
・高次脳機能障害と一時的な障害との本質的な違いは、「意図性と自動性の乖離」があることで、すなわちテストでは上手く話すことが出来ないのに家族となら流暢に話すことが可能であるといったことである

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